不動産の一括査定について
最近はインターネットが普及し、情報も容易に収集することができるようになりました。
見積り等も同じで、引っ越し一括見積り等を筆頭に、車買い取り査定など、一度で複数の業者にコンタクトを取ることができるようになりました。不動産査定も同じで、不動産一括査定があります。この一括査定は、一度に査定を依頼することができ、比較することができるという点で、とても便利に感じますが、注意しなくてはならない点やデメリットも存在することを覚えておきましょう。
まずは査定依時の個人情報の入力です。詳しい内容を入力しなければならないのは仕方がないことなのですが、この情報は不動産会社のみに渡るわけではありません。一括査定サイトを運営する会社が存在します。その運営会社が一括サイトで得た個人情報を、他の運営などの利用する可能性も大いにあり得るのです。中にはとても簡単な情報のみで一括査定を行うサイトもありますが、このようなサイトは信用が置けません。メールアドレスを取得するのが目的であり、このようなサイトはとても多くの不動産会社へ情報を提供しています。個人情報の漏洩が怖いと考えるのであれば一括査定はお勧めしません。
さらに、一括査定を依頼したのち、よく悩まされるのが、不動産業者からの電話攻撃です。しっかりしたサイトですと、悪質な不動産業者は査定業者に含まれていないのが基本なのですが、何百社から同時一括査定を取れるようなサイトでは、悪質な不動産業社も含まれている場合があります。査定のみと言っても、何度も、何度も電話をかけてきて、売却を強引に進める不動産業社がいます。中には頼みもしないのに、アポなしで直接家に訪問するなど、顧客目線無視の不動産業社なども存在します。また、多くの業者から連絡が来ると、どの業者と対応していたのか、段々わからなくなってくる場合もあります。
そして、注意していただきたいのが、一括査定サイトに登録されている業者は、大手不動産会社や、中規模不動産会社である場合が多く、競って相場よりも高めの査定額などを提示し、まずはお客様と接触しようと試みます。ですから、必ずしも適正な査定額を出しているとは限らないのです。
しかし、売る側としては少しでも高く売りたいと思っていますから、高い査定額を無視するわけにもいきません。やはりその不動産会社に連絡を取ろうとするでしょう。そして、売り出したとしても、適正値から大きく離れた価格では、やはりなかなか買い手がつかないと言う事例が、大変多く見受けられます。
その場合は結局、価格を下げるか、不動産会社を変更するなどの対処を取らざるを得なくなります。一括査定サイトを使ったことで、多くの不適正な情報に惑わされ、時間を無駄にしてしまう結果になった例と言えるでしょう。
この様な事例を避けるためには、やはり一度地元の不動産会社への相談も考慮に入れて見る事をお勧めします。
地元会社は昔からの独自のネットワークを持っている場合が多く、その土地にも明るいため、日当たり状況や騒音状況、近隣の環境なども理解している場合も多く、無理に高い査定額を提示したりなどはしません。適正価格の提示である場合が多いのです。さらに、小さな会社ですと、一度悪い噂が立ってしまうと死活問題となりますので、無理な価格の提示はできません。しかし、大手会社はいくらネットなどにクレームを書かれてもビクともしませんので、無理な査定額も提示することができるのです。
一括査定サイトを利用する場合には、このようなリスクが付きまとうということをしっかりと理解した上で利用するようにしましょう。出来る事なら、インターネット等を利用して、信頼の置けそうな不動産会社を選択した上で、その不動産会社とじっくりとお話しし、戦略を立てたのちに売却を行った方が良いでしょう。
往々にして、そのような手法を取った方が、良い結果が得られる場合が多いですし、良い結果でなくとも、「あの不動産屋のせいだ」などと、不満が残ることは少なくなります。もし、選択した不動産会社が合わなかったとしても、一括査定から不動産会社を選ぶ労力と時間の浪費に比べると、実はあまり変わらない場合が多いということを実感することでしょう。不動産は一生の買い物と言いますが、売却は一生の売り物となることはまちがいないでしょう。一生の売り物を行う際には、パートナーとなる不動産会社をしっかりと見極め、選択し、信頼の置ける取引を行うことをお勧めします。